感染症でも、やさしさは伝染する。 食品業界での出勤判断と、”安心な空気”を育てる4つの物語

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🟢 はじめに:ルールだけじゃ、足りないと感じた瞬間

飲食店やカフェで働く私たちは、日々たくさんのお客さま、そして仲間と関わりながら仕事をしています。

その中で「体調がすぐれないときに、出勤していいのか?」という悩みが出てくることもあるのではないでしょうか。

もちろん、感染症に関するルールはあります。

でも、現場では“ルールでは説明しきれない”ことがたくさんあります。

たとえば…

  • 「熱はないけど、鼻水とだるさが続いてる」
  • 「病院では“コロナじゃない”って言われたけど、お店には出ていいのかな?」
  • 「本人は出たいって言ってるけど、周りは少し不安そう…」

こうしたケース、ありませんか?

でも──  

たったひと言のやさしさが、現場の空気を変えることがあります。

本記事では、Instagramやnoteで連載していた、全4話のオリジナルストーリーを収録。

出勤判断に悩んだスタッフと、それを支える周囲の人たちのやさしさの連鎖を描いた物語とともに、

後半では「感染症ごとの出勤停止の目安をまとめた、職場でそのまま使えるリスト」を掲載しました。

これ1枚で、現場の出勤判断がぐっとラクになります。ぜひダウンロードしてご活用ください。

読んだあと、ほんの少し「人にやさしくしたくなる」。  

そんな記事になれたらうれしいです☘️


🟢 第1章:4つの物語を通して見えてきた“安心”の連鎖

📘 この章では、noteで公開した4本のストーリーを収録しています。

物語を通して、“ルールでは語りきれない安心”のあり方を一緒に考えていきましょう。

1話ずつ読み進めることで、きっとあなたの現場にも重なる場面が見えてくるはずです。


📖 第1話:「人」から始まる安心づくり

🫧それでは、最初の物語です。

☘️「休む」という選択は、わがままじゃない。

体調がすぐれないとき、

無理をせず休むことが“安心”につながる。

この物語では、そんな小さな気づきを描いています。

もし今、

「自分が休んだらどうなるだろう…」と悩む誰かがいたら──

そっと届けたいお話です。

👇


「HACCPってむずかしそう…」

そんな声に、何度も出会ってきました。

このnoteでは、食品業界で品質管理や品質保証の仕事に長くたずさわってきたコーヒーさん(わたし)が、

カフェや飲食店で働くみなさんに寄り添いながら、

“安心を育てる”やさしい衛生管理のヒントをお届けしています☘️

舞台は、仮想のカフェ「アイボリー」。

スタッフとの会話や日々の出来事を通して、

HACCPや衛生管理の“ちいさな気づき”を、物語と一緒に紡いでいきます。

今日も、カフェ・アイボリーから、いっしょに学んでいきましょう☕️


☘️この投稿を読み終えたとき──

「体調がすぐれない時、休むって“わがまま”じゃないんだ」

「自分を大切にすることが、誰かの安心にもつながるんだな」

そんなやさしい気づきが、

あなたの中に、そっと芽生えていたらうれしいです🌿


「今日は、休むことにしました」──その決断が“安心”のはじまりに

朝のカフェ・アイボリー。

まだ暖かい湯気が残る静かな店内に、焙煎したてのコーヒーの香りがふわりと漂っていた。

「おはようございます」

いつものように扉をくぐったコーヒーさんに、ペリーさんが笑顔でマグを差し出してくれる。

「ありがと〜。いただきます☕️」

少し深めの一口。──でも、なぜだろう。

どこか、いつもと違う。お湯の温度?豆の挽き目?

いや、そうじゃない。なんとなく、味に“張り”がないような気がした。

顔を上げると、ペリーさんが焙煎室の椅子に腰を下ろしていた。

いつもなら厨房に立ちっぱなしのはずなのに、今日は少し表情も硬い。

「……ペリーさん、もしかして、体調……」

コーヒーさんが声をかけようとした、その時。

「今日は、休むことにしました」

ペリーさんが、静かに、でも穏やかにそう告げた。

「昨日の夜から、ちょっとお腹の調子が悪くてネ」

「今日は、無理しないことにしたヨ」

笑顔のまま話すその声は、少しかすれている。

「予約のお客さんもいるから、心配だけど……

でも、わたしが無理して厨房に立つほうが、お客さまに失礼になると思って」

そう言って、焙煎室の扉にそっと鍵をかける。

その所作には、“プロとしての覚悟”がにじんでいた。


「じゃあ、私からご予約のお客様にご連絡しますね」

そう言ったのは、コーヒーさんだった。

でも、少し間をおいて、かんなちゃんが口を開いた。

「……私から、ご連絡します」

「ペリーさんのこと、ちゃんと伝えたいので」

「いつも、お店のことを大事にしてくれている人だからって」

その言葉に、コーヒーさんも、なーみんも、やさしくうなずく。

「うん、かんなちゃんなら大丈夫だよ」

電話をかけるかんなちゃんの声は、少し震えていたけれど、

「お大事に」「また日を改めて行きますね」と、

お客さまからはあたたかな言葉が返ってきた。

それは、“理由をきちんと伝えた”からこそ生まれた安心だった。


店内に戻ってきたかんなちゃんは、ふっと息を吐いた。

「ペリーさん、やっぱりすごいですね」

「体調が悪くても、それを“誰かのために休む”って選べるの、かっこいいなって思いました」

ペリーさんは、ちょっと照れたように笑った。

「みんなに迷惑かけて、ごめんネ」

でも、コーヒーさんがすかさず答えた。

「迷惑だなんて、とんでもないです」

「ちゃんと“自分を大切にする”ことができる人は、

きっと“人のこと”も、大切にできると思います」

そしてその日は、お店はお休みに。

予約のお客さまにお会いすることはできなかったけれど──

カフェ・アイボリーには、静かにやさしさが満ちていた。

“安心”って、きっとこういう日々のなかで、

誰かの勇気や、やさしさから育まれていくんだな──

そんなことを感じながら、コーヒーさんは、もうひと口コーヒーを飲んだ。


📝読後のひとことメモ

「がんばらないといけない日」よりも、

「今日は立ち止まっていい日」って思えること。

それもまた、プロとしてのやさしさかもしれません🌿


👇

📘読み終えて、どんなことを感じましたか?

「体調が悪いのに仕事を休むなんて…」

そんなふうに思ってしまう日もあるかもしれません。

でも、安心な空気は、

“誰かを想う行動”から少しずつ育っていくのかもしれませんね。

あなたの職場でも、

「今日は休んでも大丈夫だよ」と言えるやさしさが広がりますように☘️

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📖 第2話:「“休む勇気”は、やさしさの証」

🫧それでは、2つ目の物語です。

☘️「今日は休みます」──

たった一言なのに、ものすごく勇気がいる。

でもその言葉には、

“自分もまわりも大切にしたい”というやさしさが詰まっています。

この物語では、「伝える勇気」と「受け止めるまなざし」が

安心な空気を少しずつ育てていく様子が描かれています。

“判断する力”の中にある、ほんとうのやさしさ。

あなたは、どう感じるでしょうか。

👇


☘️この投稿を読み終えたとき──

「今日は休みます」って、

たった一言なのに、すごく勇気がいること。

でもその言葉には、

“自分もまわりも大切にしたい”というやさしさが、ちゃんと詰まっている。

そんな気づきが、あなたの中にそっと残ってくれたら、うれしいです🌿


「今日は、休ませてください」──その言葉は、やさしさの証だった

──春。

日曜日の朝は、少しだけ慌ただしい。

カフェ・アイボリーも、開店前からコーヒー豆を挽く音と、

ペリーさんの軽やかな足取りが響いていた。

「今日は晴れたから、お客さんも多そうネ☀️」

そう言って、ペリーさんが焙煎機の温度をチェックする。

いつもどおりの、心地よい朝。

……のはずだった。

「あれ……?」

コーヒーさんがふと気づいた。

店の奥、スタッフルームから聞こえる小さな音。

──「へっくしゅん!」

──「ズズ……」

「花粉、今年もすごいんですねぇ」

なーみんがつぶやきながら、手を止める。

(かんなちゃん、大丈夫かな……)

まもなく開店。

でも、かんなちゃんはまだ更衣室から出てこない。


「おはようございます……」

少し鼻声で、かんなちゃんが顔を出した。

手には、制服ではなく、私服のままのバッグ。

「今日は、すみません……お休みをいただいてもいいですか?」

ペリーさん、コーヒーさん、なーみんが、顔を上げる。

「朝から鼻水とくしゃみが止まらなくて……

熱もないし、動けるとは思ったんですけど、

でも厨房に立ったら、きっとご迷惑をかけてしまうかもって……」

一度、言葉を飲み込んだかんなちゃんが、もう一度はっきり言った。

「だから、今日は休ませてください。

 ちゃんと理由を伝えて、お店にとっても安心になるって思ったから」


その言葉に、ペリーさんがふっと微笑む。

「うん、それが一番ネ☘️」

なーみんが、やさしく声をかける。

「すごいね、かんなちゃん。

ちゃんと自分から言えるって、すごく勇気がいることなのに」

「……この前の、ペリーさんのことがあったから」

かんなちゃんが、少し照れくさそうに笑った。

「プロって、体調管理もふくめて“やさしさ”なんだなって思って。

 私も、そういう判断ができる人になりたいって思ったんです」

コーヒーさんが、かんなちゃんの目を見て、

やさしくうなずいた。

「うん、かんなちゃんのその判断、とっても素敵だったよ」

「今日は安心して、ゆっくり休んでね☘️」

「私が手伝うから大丈夫だよ〜」

なーみんが明るく笑う。

かんなちゃんは、ほっとしたように「ありがとうございます」と小さく頭を下げた。

制服に着替えることはなかったけれど──

その日、カフェ・アイボリーに流れていたのは、

“やさしく伝える勇気”と、“それを受け止めるまなざし”。

安心は、今日もまた「人からはじまって」育っていった。


📝読後のひとことメモ

「無理したら、誰かに迷惑がかかるかも」

そんな思いから伝えた「休ませてください」の一言は、

“やさしさ”がつくった、立派なプロの判断☘️

声をかける勇気も、声を受けとめる優しさも、

どちらも、安心をつくってくれる大切なチカラです🌿

それもまた、プロとしてのやさしさかもしれません🌿


👇

📘読み終えて、どんなことが心に残りましたか?

「体調が悪いけど、頑張らなきゃ……」

そう思ってしまう日も、きっとあると思います。

でも、“安心な空気”は、誰かが勇気を出して

「休む」という判断をしてくれたところから始まるのかもしれません。

その勇気を、ちゃんと受け止められる職場でありたい。

この物語が、そんなやさしい循環を考えるきっかけになれば嬉しいです☘️

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📖 第3話:「“ふだん”の清潔感に、気づいていますか?」

🫧それでは、3つ目の物語です。

☘️「見た目の清潔感」は、ふだん無意識になりやすいもの。

でもその“ふだん”こそが、お店の雰囲気をつくっています。

この物語では、ある朝のちょっとしたやり取りから

“自分で気づくこと”の大切さが描かれています。

おもてなしは、特別なことじゃなくて

日常の中にある「やさしい気づき」なのかもしれません。

👇


☘️この投稿を読み終えたときーー

「見た目の清潔感って、思ってた以上に大事かも」

「“いつも通り”に、甘えすぎてたかもしれないな」

そんな気づきが、あなたの中にそっと芽生えていたら、うれしいです🌿


「ふだん」の服装、ちゃんと見直せてる?

月曜日の朝。

カフェ・アイボリーは、開店準備のまっただなか。

昨日は日曜日でとても忙しかった。

コーヒー豆の販売も大好評で、夜遅くまでペリーさんが焙煎作業をしていた。

そんな翌朝──

いつもよりほんの少し遅れて、ペリーさんが厨房に姿を見せた。

「おはようございます〜」

「おぉ、おはようカンナちゃん☕️」

笑顔はいつもと同じだけど、

かんなちゃんは、その雰囲気のちがいにすぐ気づいた。

(……あれ?なんか、ちょっと雰囲気が違う?)

いつもはパリッとしているズボンに、少しシワが目立つ。

ヒゲも、ほんのり伸びているような気がした。

寝坊しちゃったのかな。

だけど、それを責める気持ちはなくて、ただ──

「お店の顔としての印象」を、自然に感じ取っていた。

「ペリーさん、私こっちの準備やっておきますね。

よかったら、少し整えてきてください☘️」

そっと伝えるかんなちゃんの声に、

ペリーさんは少し照れながら、やさしくうなずいた。


「見た目の清潔感」も、おもてなしのひとつ

数分後。

身だしなみを整えて戻ってきたペリーさんは、少しだけホッとした表情だった。

「いや〜、ズボンそのままで出てきちゃったヨ。

ヒゲも忘れてたネ〜」

「昨日遅くまでやってたもんね」

と、コーヒーさんが笑いながら言う。

なーみんもにこにこしながらうなずいた。

「でも、気づいて整え直せるって、すごく大事だよねぇ☘️」

「うん。見た目の清潔感って、思ってる以上に大事だと思うな」

「においや毛玉、シミ、髪型……。

それひとつで、お客さまの印象が変わることもあるから」

ふだん意識していないと、

どうしても“気づかないうちに当たり前”になってしまう。

でも、“当たり前”になったことこそ、

お店全体の雰囲気をつくっていく大事な部分だったりする。


気づけることは、やさしさ

そのとき──

かんなちゃんが、自分の服を見下ろして、ふとつぶやいた。

「えっ……うそ、私の服、毛玉いっぱい……」

「ここ、シミまでついてる……」

急に恥ずかしそうな顔をして、

胸元のあたりを手で隠すようにしたかんなちゃん。

「昨日の夜、洗おうと思って干してなくて……気づいてなかったです」

「でも、今日気づけてよかったねぇ」

と、なーみんが微笑む。

「“見た目の清潔感”は、誰かに言われて整えるものじゃなくて──

自分の気づきで見直せると、自然とやさしい空気につながるんだよ☘️」

ペリーさんも、大きくうなずいてこう言った。

「お店の雰囲気は、“おもてなし”の積み重ねだヨ」

「今日もまた、やさしい空気でいこうネ〜」


📝読後のひとことメモ

清潔感は、“誰かに言われたから”じゃなくて、

「自分で気づけたこと」が、そのままやさしさになる☘️

見直すきっかけは、ちょっとした違和感や、

誰かのさりげない言葉だったりするもの。

今日も、あたらしい1日を始める前に──

少しだけ“ふだん”を見直してみませんか?


👇

📘読み終えて、どんな場面が心に残りましたか?

気づかないうちに甘えてしまう「いつもどおり」。

でも、それを自分で見直せたとき、

きっとその行動にはやさしさが宿っています。

清潔感は、「誰かのために整える」ことではなく、

「自分のまわりに、やさしい空気を届けたい」という気持ちの表れ。

そんな視点で、

今日の服装や身だしなみを見直してみるのも素敵ですね☘️

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📖 第4話:「やさしさは、そっと伝染していく」

🫧それでは、4つ目の物語です。

☘️たったひと言の声かけが、空気を変えていく。

この物語は、「人からはじまる安心」が

どうやって“次のやさしさ”へつながっていくのか──

その連鎖を描いた、シリーズの最終章です。

ひとつの声が、やがて店の空気を変え、

お客さまの心にも、そっと届いていく。

そんな“あたたかな循環”を、一緒に感じてみてください。

👇


☘️この投稿を読み終えたとき──

「声をかけるって、ちょっと勇気がいる」

「でも、“ありがとう”が返ってきたら、なんだかうれしい」

そんな気づきが、そっとあなたの中に芽生えていたらうれしいです。

この物語は、たったひと言のやさしさが、お店の空気を変えていく──

そんな“安心の連鎖”を描いた、最終章です🌿

📘 そして物語のあとには、

このシリーズに込めた“わたしの想い”もすこしだけ綴らせていただきました。

よければ、そちらも最後まで読んでもらえたらうれしいです☘️


「安心って、こうやって広がっていくんだね」

朝のカフェ・アイボリーは、今日も穏やかな光につつまれていた。

焙煎機の前にはペリーさん。

焙煎を終えたばかりのコーヒー豆をふうっとひと息吸い込んで、満足そうな表情を浮かべている。

その姿は、ほんの数日前まで体調不良でお休みをしていたとは思えないくらい、すっかり元気になっていた。

その横では、かんなちゃんがテイクアウト用のカップを準備していた。

ふと、ペリーさんの手元を見て、声をかける。

「ペリーさん、今日のそのエプロン、新しくしました?なんかキリッとしてて素敵です〜!」

「えっ、わかる?ヨシっ!気づいてくれたの、うれしいネ〜☕️」

ふたりのやりとりを、カウンター奥から見ていたコーヒーさんと、なーみんが目を合わせて笑う。

「なんだか……最近のアイボリー、やさしい空気が広がってきたよねぇ☘️」

「うん、すごく居心地がいい……“誰かを想って行動する空気”って、ほんとに伝わるんだなぁ」

そんなことを話していると──


カラン、という小さなベルの音が鳴って、お店のドアが開いた

「こんにちは〜。あいててよかったです」

その声に、一瞬全員が手を止めて振り返る。

「……あっ!」

先に声を上げたのは、ペリーさんだった。

そこに立っていたのは──

「おおぼり先生!!」

思わず声をそろえるスタッフたち。

「こ、これはまた……お元気そうで!どうされたんですか?」

おおぼり先生はニコニコと微笑みながら、ジャケットを脱ぎ、ゆっくりと席に着いた。

「いやぁ、あの日は残念でしたけどね」

「じつは、あの日アイボリーを予約してたんですよ。そしたらかんなさんから、“本日は臨時休業です”って、丁寧に連絡をもらって……」

「ペリーくん、体調を崩したって聞いてから、ちょっと気になっていたんです」

「でも、今日来てみて、安心しました。ぐふふっ」

「先生……心配してくれてたんですね」

「気にかけてくださって、ありがとうございます☘️」

「ここに来ると、ちゃんと“人のやさしさ”が循環してるのがわかるんです」

「だからまた、飲みに来たくなる」

先生のその一言に、かんなちゃんがふと目を潤ませた。

「わたし……“伝えてくれてありがとう”って言ってもらえた時、すごくうれしかったんです」

「今でも、ちょっとドキドキはしますけど、でも……もう前よりは怖くないです☘️」

「それは、あのときペリーさんが決断してくれたのを見てたから。

そして、なーみんさんが背中を押してくれて、コーヒーさんがいつも見ててくれるから──」

「ぐふふっ。そうやって言えるあなたも、もう立派な“気づける人”ですよ」

店内には、しばらくあたたかな笑い声が続いていた。


その日の営業が終わったあと、みんなで後片付けをしているとき。

コーヒーさんがそっとつぶやいた。

「安心って、誰かの声かけや、ひと言から、ちょっとずつ広がっていくんだね」

なーみんもうなずいて、やさしく言葉を添える。

「うん……それが“人からはじまる安心づくり”なんだよねぇ☘️」

「だから、これで終わりじゃなくて、ここからまた、新しく育っていくんだよ」

ペリーさんは、その言葉に照れくさそうに笑って、

「また明日も、おいしいコーヒー、いれるヨ〜☕️」

その声に、アイボリーのあたたかな空気が、ふわっとひろがった。


📝読後のひとことメモ

やさしく気づいて、やさしく伝えて、

そのやさしさが“ありがとう”で返ってくる。

お店の安心は、「人からはじまる」。

その空気が、また次の誰かをやさしく包んでいきます☘️


☕️ 私の想いを、すこしだけ

「体調管理や服装って、あたりまえのこと」と思われがちかもしれません。

でも、その“あたりまえ”が

忙しさのなかで、つい見逃されてしまうこともある。

そして、ほんの小さな声かけや、気づきが、

お店の空気を変えるほどの力を持っていることもある。

このシリーズでは、

そんな「小さな気づき」が、どれほど安心につながるかを、

物語としてやさしく描いてきました。

「伝えるって、やさしさなんだ」

この言葉が、読んでくださったあなたの心にも

すっと届いてくれたなら──

もうそれだけで、このシリーズを綴った意味があったと思えます。

お店の安心は、ルールだけでは生まれません。

人のやさしさが、気づきが、空気をつくっていきます。

このストーリーたちが、

あなたのお店にとって、ほんの少しでもヒントになれたなら、心からうれしく思います。

最後まで読んでくださり、本当にありがとうございました☘️


👇

📘読み終えて、どんな場面が印象に残りましたか?

声をかけるって、勇気がいる。

でも、そのひと言に“ありがとう”が返ってきたとき、

そのやさしさは、きっと次の誰かに伝わっていきます。

安心は、誰かが与えてくれるものではなくて──

「気づいて、伝えて、返ってきた気持ち」が

また次のやさしさを育てていくんですね☘️

このシリーズを通して、

あなたの現場にも、そんな循環が生まれますように。

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📘 ここまで読んでくださって、本当にありがとうございました☘️

この4つの物語を通して、

「人のやさしさが、安心を育てていく」

そんな当たり前だけど、大切なことを描いてきました。

でも現実の現場では、

やさしさだけでは乗り越えられない場面や、

ルールと気持ちの間で迷う瞬間もありますよね。

だからこそ、次の章では──

📚“感染症と、出勤の判断”という、

飲食店にとって身近で、でも正解が見えにくいテーマに

実践的な視点で踏み込んでいきます。

「もし体調が悪いスタッフがいたら、どう対応する?」

「保健所に連絡すべきか、判断に迷ったら?」

「感染症の種類によって、出勤できる・できないの違いは?」

物語の世界から、

“現実の現場で活かせる安心”へ。

次の章でも、やさしく、ていねいに

一緒に考えていけたらうれしいです☘️


🟢 第2章:感染症と出勤判断の「本当のところ」

「体調がすぐれないとき、出勤していいのか?」

そんなときに役立つのが、感染症ごとの出勤停止の目安です。

まずは、感染症がどう分類されているかを整理しておきましょう。

✅ 感染症の種類と出勤停止の考え方

感染症は大きく分けて、以下のように分類されています。

感染症の分類出勤停止の考え方
1類〜3類感染症結核、コレラなど原則として就業制限が必要(法的義務)
5類感染症(全数把握)新型コロナウイルス(2023年5月まで)状況に応じて判断されるが、法的義務は弱まる傾向
5類感染症(定点把握)インフルエンザ、ノロウイルス、RSなど基本的には自己判断だが、厚労省のガイドラインに基づく出勤制限の推奨あり
その他の風邪症状鼻風邪など明確なルールはないが、職場判断が求められる

✅ 具体的な目安:感染症ごとの出勤停止リスト

ここからが本題です。

感染症ごとの出勤停止の目安をまとめたリストを作成しました。

現場で迷いやすいポイントも一緒に記載しています。

感染症名出勤停止の目安補足
インフルエンザ発症後5日かつ解熱後2日(幼児は3日)学校保健安全法による基準
ノロウイルス胃腸炎嘔吐・下痢が完全消失するまで症状後もウイルス排泄が続くため、二次感染防止に留意
ロタウイルス胃腸炎症状消失まで乳幼児から家庭内感染しやすい
麻しん(はしか)解熱後3日経過非常に強い感染力
風しん発疹消失まで妊婦への感染リスク重大
水痘(水ぼうそう)すべての発疹が痂皮化するまで
おたふくかぜ腫脹消退まで髄膜炎など合併症に注意
RSウイルス感染症全身状態良好かつ咳・発熱消失まで二次感染防止に留意
百日咳特有の咳消失または抗菌薬5日間投与後
A群溶連菌咽頭炎主要症状消退後24時間以上の抗菌薬投与後
腸管出血性大腸菌(O157等)下痢消失+2回の便培養陰性確認自治体の就業制限解除要件に従う
サルモネラ症症状消失後かつ医師の許可自治体の就業制限解除要件に従う
E型肝炎医師が感染性なしと判断するまで自治体の就業制限解除要件に従う
結核医師が感染性なしと判断するまで医療機関の指示必須
新型コロナウイルス感染症発症後5日経過かつ解熱後24時間経過(自治体指示優先)

※詳細な症状・感染経路・備考付きの完全版はダウンロード資料をご覧ください。


📥 ダウンロード特典:感染症ごとの出勤停止目安リスト(2025年版)

学校保健安全法や厚労省ガイドラインなどの公的情報をもとに整理した出勤停止目安を、1枚のPDFにまとめました。

現場でそのまま掲示・共有できるように作成しました。(掲示・配布自由/改変不可)

💡 あなたのお店に合った使い方を

ダウンロードした資料は、お店のスタイルに合わせて自由に活用してください

  • スタッフルームや事務所に印刷して貼る
  • お店のスマホやタブレットに保存して、必要なときだけ確認
  • PCの壁紙やデジタルメモに設定して、すぐ見られるように
  • LINEのノートや共有フォルダに置いて、スタッフ全員で共有

キッチンでの掲示は異物混入や交差汚染のリスクにもつながります。

紙だけにこだわらず、デジタルも上手に取り入れて、安心できる環境づくりに役立ててくださいね。

イメージ画像です。

※本資料は参考資料です。最終判断は医師・自治体ガイドラインに従ってください。

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🟢 第3章:現場で本当に大事な視点とは?

大切なのは「誰かがルールを破ったかどうか」ではありません。

  • 「体調がすぐれないけど出てしまったスタッフを責めないこと」
  • 「お店の空気を守るには、声をかけ合える関係性が必要なこと」
  • 「“大丈夫?”というたったひと言で、安心が育つこと」

つまり、

“人からはじまる安心”が、職場の信頼をつくっていくということです。


🟢 おわりに:こんなとき、どう判断する?

最後に、現場で判断に迷いやすいポイントを整理しておきます。

状況判断のヒント
熱はないが、強い咳やだるさがある出勤前に連絡 → 無理せず休むことを優先
家族がインフルエンザ濃厚接触リスクが高い場合は、自己隔離も検討
病院では「大丈夫」と言われた医師の判断+現場の不安感にも配慮を

🌿読んでくださったあなたへ

たったひと言の声かけが、

体調不良のときの不安や罪悪感を、ふっと軽くすることがあります。

“ルールを守る”ことと、“信頼で支える”ことは、両立できます。

あなたのお店でも、やさしい連鎖が育っていきますように☘️


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