「特定原材料は7品目」。長くそう説明されてきましたし、いまもその数で覚えている方は多いと思います。けれど、それはもう過去の数字です。2023年にくるみ、2026年4月にカシューナッツが加わり、いまは9品目。さらに、ピスタチオやマカダミアナッツも別の枠で動いています。なぜ今、木の実類が相次いで表示制度の表舞台に出てきているのか。一括表示を作る側の視点から、できるだけ丁寧に紐解いていきます。
- はじめに|「7品目」は、もう過去の数字です
- 私について|なぜ、アレルゲン表示の話を書くのか
- そもそも「特定原材料」とは|表示が義務づけられたアレルゲン
- 7品目から9品目へ|いつ、何が加わったのか
- なぜ、くるみが追加されたのか|8品目への転換点
- なぜ、カシューナッツも続いて追加されたのか|9品目へ
- なぜ、ピスタチオは「義務表示」ではなく「推奨表示」なのか
- 「準ずるもの」は義務じゃない。でも、現場ではほぼ表示対象
- なぜ今、木の実類アレルギーが注目されているのか
- 背景にある食生活の変化|ただし、因果は断定しない
- 衛生管理の視点|アレルゲンは「危害要因」の一つ、表示の前に現場の混入対策
- 食品事業者が、本当に見直すべきこと
- 消費者に伝えたいこと|表示は、誰かの「選ぶ自由」を支えている
- 現時点の私の立ち位置|「9品目で終わり」とは限らない
- まとめ
- よくある質問
- 参考にした情報
- リンク集
- 他の形式で学ぶ
はじめに|「7品目」は、もう過去の数字です
食物アレルギーの表示は、一度決めたら終わりの固定リストではありません。日本人の食生活や食品の使われ方、そして実際に起きている健康被害の実態に合わせて、追加も削除もされながら、いまも見直され続けています。言いかえれば、「危ない食品を並べたリスト」ではなく、症例数や症状の重さ、そして検査で確認できる体制などを踏まえて、必要に応じて組み替えられている仕組みです。
その見直しが、ここ数年は木の実類に集中しています。長く「7品目」だった特定原材料は、くるみで8品目になり、カシューナッツで9品目になりました。本記事では、なぜくるみだったのか、なぜカシューナッツが続いたのか、なぜピスタチオは義務ではなく推奨なのか、そしてなぜ木の実類ばかりなのかを、一つずつ追いかけます。
私について|なぜ、アレルゲン表示の話を書くのか
少しだけ、自己紹介をさせてください。
前回は食肉の品質管理という視点で書きましたが、今回のテーマはアレルゲン。どちらかといえば、食品表示の話です。なので、その立場から書きます。私は食品の品質管理・品質保証の現場に携わりながら、食品表示検定の中級を取得し、いまも現役で、商品の一括表示(パッケージ裏の、名称・原材料名・添加物・アレルゲンなどがまとまった、あの枠)を自分の手で作っています。
一括表示を作る側にいると、「特定原材料が一品目増える」というニュースが、現場で何を意味するかが見えます。原材料規格書を一枚ずつ確認し、仕入先に問い合わせ、表示を直し、包材を刷り直す。たった数文字の追加が、その作業の連なりになります。だから今回の改正も、「ルールが変わった」では終わらせません。なぜ変わったのか、現場は何をすべきかまで、根拠にそって整理していきます。
そもそも「特定原材料」とは|表示が義務づけられたアレルゲン
「特定原材料」とは、食物アレルギーの発症数や症状の重さから、とくに表示の必要性が高いとされ、食品表示基準(別表第十四)で表示が義務づけられたアレルゲンです。容器包装された加工食品や、それに由来する添加物にこれらを使った場合、表示しなければなりません。
選ばれている理由は、品目ごとに少しずつ違います。卵・乳・小麦は原因食物全体の大きな割合を占めること、そば・落花生は重い症状が出やすいこと、えび・かには成人になってからの発症や誤食が多いこと。そこに、近年の木の実類の増加が加わってきた、という流れです。
「義務表示」と「推奨表示」は、何が違うのか
アレルゲンの表示対象には、性格の異なる二つのグループがあります。
- 特定原材料=義務表示。食品表示基準にもとづく、法律上の表示義務があります。
- 特定原材料に準ずるもの=推奨表示。通知にもとづく、「できるだけ表示してください」という推奨です。
この義務と推奨の違いは、あとで出てくるピスタチオの経過措置や、準ずるものをどこまで管理するかという実務の判断に、そのまま効いてきます。まずはこの二つの区別だけ、押さえておいてください。
なお、表示義務がかかるのは、あくまで容器包装された加工食品と添加物です。レストランのメニューや、対面販売・その場での量り売りなどは、食品表示基準上のアレルゲン表示義務の対象外になります。ただし、飲食店であっても、容器包装に入れた加工食品として販売する場合は、表示が必要になることがあります。いずれにせよアレルギーは命に関わるため、外食の現場でも、聞かれたら答えられる準備や情報提供が強く望まれます。
7品目から9品目へ|いつ、何が加わったのか
まず全体像を、時系列で整理します。
| 時期 | 動き | 区分 |
|---|---|---|
| 長く7品目 | えび・かに・小麦・そば・卵・乳・落花生 | 特定原材料(義務) |
| 2023年3月9日 | くるみを追加 → 8品目に | 特定原材料(義務) |
| 2024年3月28日 | マカダミアナッツを追加/まつたけを削除 | 準ずるもの(推奨) |
| 2026年4月1日 | カシューナッツを追加 → 9品目に | 特定原材料(義務) |
| 2026年4月1日 | ピスタチオを追加 | 準ずるもの(推奨) |
こうして並べると、見えてくることがあります。追加だけではなく、まつたけのように削除もされている。そして、ここ数年の動きはほとんどが木の実類です。アレルゲン表示は「増える一方」ではなく、実態に合わせて入れ替わっている。その感覚を持っておくと、改正のニュースが読みやすくなります。
現在の特定原材料9品目は、えび・かに・くるみ・小麦・そば・卵・乳・落花生・カシューナッツです(並び順は資料により異なる場合があります)。
なぜ、くるみが追加されたのか|8品目への転換点
くるみが特定原材料に加わったのは、2023年(令和5年)3月9日。表示切替のための経過措置は2025年(令和7年)3月31日まで、約2年間設けられました。
背景にあったのは、木の実類アレルギーの増加です。消費者庁が定期的に行っている全国実態調査で、木の実類による症例が増え続け、なかでもくるみの症例数が突出して多いことがはっきりしてきました。それまで推奨表示だったくるみを、義務表示へ引き上げる。これが、長く続いていた「7品目」の体制を見直す、大きな一歩でした。
くるみの追加は、木の実類アレルギーが表示制度の上でも無視できない存在になったことを示す、象徴的な出来事だったといえます。
なぜ、カシューナッツも続いて追加されたのか|9品目へ
そして2026年(令和8年)4月1日、カシューナッツが特定原材料に加わり、義務表示は9品目になりました。経過措置は2年間、2028年(令和10年)3月31日までです。
消費者庁の説明をかみくだくと、理由は大きく二つあります。ひとつは、カシューナッツの症例数と、木の実類全体に占める割合が増えており、それが一過性とは考えられないと判断されたこと。もうひとつは、見落とされがちですが重要で、カシューナッツを検出する公定検査法(公的な検査方法)の確立に、目処が立ったことです。
義務表示は「表示しなさい」と求めるだけでなく、「本当に入っているのか、いないのか」を行政が検証できて、はじめて制度として回ります。だからカシューナッツが特定原材料へ移った背景には、症例の増加だけでなく、制度として運用できる検査体制の整備もありました。くるみのときと同じく、「実態」と「運用できる土台」の両方がそろった、というわけです。
なぜ、ピスタチオは「義務表示」ではなく「推奨表示」なのか
同じ2026年4月1日、ピスタチオも表示対象に加わりました。ただしこちらは、特定原材料ではなく、特定原材料に準ずるもの(推奨表示)への追加です。カシューナッツとピスタチオは同じウルシ科で、強い交差抗原性(一方にアレルギーがあると、もう一方にも反応しやすい性質)が知られており、ピスタチオの症例も増えていることが踏まえられました。
ここで、よくある疑問が出ます。「カシューナッツには2年の経過措置があるのに、ピスタチオには書かれていない。すぐ表示しないと違反なのか?」
答えは、先ほどの義務と推奨の違いにあります。
- カシューナッツは特定原材料=義務表示。だから、現場が対応する時間として経過措置が設けられます。
- ピスタチオは特定原材料に準ずるもの=推奨表示。法的な義務表示ではなく、通知による推奨です。そのため、義務化にともなう経過措置という考え方が、基本的にありません。
経過措置がないのは「すぐ違反になるから急げ」ではなく、「そもそも義務化のスケジュールではないから」。ただし、義務ではないから対応しなくてよい、とはなりません。アレルギーを持つ人には大切な情報ですから、包材改版や原材料確認のタイミングで、できるだけ早く反映していくのが望ましいところです。消費者庁も、可能な限り速やかな表示を求めています。
「準ずるもの」は義務じゃない。でも、現場ではほぼ表示対象
ここは、つくる側の本音に近い話です。
くり返しになりますが、特定原材料に準ずるものは、法律上は推奨表示で、義務ではありません。それでも、多くの食品事業者は、特定原材料だけでなく準ずるものまで含めて管理しています。理由はシンプルです。
- 表示しないことで得られるメリットより、表示しないことで負うリスクのほうが大きい
- 消費者が食品を選ぶうえで、重要な情報になる
- 問い合わせや、万一の健康被害が起きたときに、説明責任がある
- 原材料規格書や取引先から、29品目での管理を求められることが多い
そのため実務では、義務の9品目に推奨の20品目を足した合計29品目を、まとめて管理対象として扱う事業者が多くいます。取引先対応や規格書管理では、29品目での確認を求められる場面も少なくありません。法律上の義務と、食品事業者としての責任は、必ずしも同じではない。そこを分けて考えられると、表示の判断がぶれません。
特定原材料に準ずるもの(推奨表示)20品目【2026年4月1日以降】
アーモンド、あわび、いか、いくら、オレンジ、キウイフルーツ、牛肉、ごま、さけ、さば、大豆、鶏肉、バナナ、ピスタチオ、豚肉、マカダミアナッツ、もも、やまいも、りんご、ゼラチン。
※従来この枠にあったカシューナッツは特定原材料(義務)へ移ったため、準ずるものからは外れています。最新の一覧は、必ず消費者庁の資料でご確認ください。
なぜ今、木の実類アレルギーが注目されているのか
ここが、記事のいちばん奥にある問いです。なぜ、くるみもカシューナッツもピスタチオも、そろって木の実類なのか。
消費者庁の最新調査(令和6年度 即時型食物アレルギーによる健康被害に関する全国実態調査、約6,000例規模)が、その背景をよく表しています。数字で見てみましょう。
- くるみは、原因食物の第2位(約15%)。鶏卵に次ぐ多さで、前回調査の約7.6%から、およそ2倍に増えました。
- カシューナッツは、約2.9%から約4.6%へ(約1.6倍)。マカダミアナッツも約0.7%から約1.1%へ増えています。
- 木の実類をひとまとめにすると、その症例数は鶏卵に次ぐ規模に達しています。
- 年齢別では、3〜6歳と7〜17歳でくるみが原因食物の1位。子どもで存在感が大きいことも特徴です。
さらに、くるみとペカン、カシューナッツとピスタチオには、それぞれ強い交差抗原性があります。だから「くるみが増えた」「カシューナッツが増えた」という話は、近縁の木の実類とセットで考える必要があります。ピスタチオがカシューナッツと同時に推奨表示へ加わったのも、この近さが理由のひとつです。
加えて、カシューナッツは、ショック症状(重い全身症状)を起こした原因食物の第5位でした(37例・6.3%)。ショック症状が報告された586例の原因をたどると、上位10品目のうち5品目を木の実類が占めています。数が増えているだけでなく、重くなりうる。その両方が重なって、木の実類は見直しが続く分野になっています。
背景にある食生活の変化|ただし、因果は断定しない
食生活の変化を持ち出すと、つい「身近に売られるようになったから、アレルギーが増えた」と結びつけたくなります。けれど、症例数の増加と、ナッツが買いやすくなったことを、直接の因果として結びつけることはできません。公的な資料でも、そこまでは示されていません。
そのうえで、生活の実感として言えることはあります。ナッツは、スーパーやドラッグストア、コンビニ、大型商業施設と、買える場所が広がりました。それ以上に大きいのは、プロテインバーやグラノーラ、焼き菓子、パン、チョコレート、サラダ、ナッツミックスなど、加工食品の中に入っている場面が増えていることです。
表示の視点で重要なのは、ここです。ナッツはもう、「ナッツを買う人だけが接触する食品」ではありません。原材料として、気づかないうちに口にしていることもある食品になっています。だからこそ、表示を見て確かめる意味が、以前より大きくなっているのです。
衛生管理の視点|アレルゲンは「危害要因」の一つ、表示の前に現場の混入対策
品質管理者として、もう一歩だけ踏み込みます。アレルゲン表示は、「ラベルにどう書くか」だけの話ではありません。その手前に、現場の管理があります。
食品衛生やHACCPの考え方では、アレルゲンは危害要因(ハザード)の一つとして扱われます。微生物や異物と並ぶ、管理すべきリスクです。そして、表示を正しく成り立たせる前提が、コンタミネーション(意図しない混入=交差接触)の対策になります。
たとえば、くるみ入りの焼き菓子を作った天板や器具を、洗わずに別の商品へ使えば、くるみを「使っていない」はずの商品に、くるみが微量に移ってしまう。レシピ上は入っていなくても、現場では入りうる、ということです。これを防ぐのが一般衛生管理(PRP)やHACCPの役割で、具体的には次のような点になります。
- アレルゲンを含む商品と含まない商品の、製造順序・タイミングの設計
- 器具・設備・手指を介した持ち込み(交差接触)の防止と、切替時の洗浄手順
- 混入が避けられない場合の、事実にもとづく注意喚起表示(同一製造ラインで○○を使用、など)
ここで一つ、表示のルールとして知っておきたいことがあります。「○○が入っているかもしれません」といったあいまいな可能性表示は、認められていません。可能性に逃げるのではなく、まず混入を防ぐ。そのうえで、防ぎきれない実態があるなら、事実として注意喚起する。これが基本の順番です。表示を変えることと、現場で混入を抑えられていることは、つねにセットだと考えてください。
食品事業者が、本当に見直すべきこと
「特定原材料が一品目増える」。これは現場では、ラベルの文字を足すだけの作業ではありません。一括表示を作る立場から言うと、実際には次のような確認の連なりになります。
- 原材料規格書の確認、仕入先への問い合わせ
- 原材料名の見直し、アレルゲン一覧表の更新
- 包材表示の改版と、旧包材の管理(いつまで使えるか)
- 製造ラインでの混入確認、洗浄・切替手順の点検
- 従業員教育、問い合わせ対応の準備
- 商品仕様書・外部規格書の更新
つまりアレルゲン表示の改正は、包材の文字を変えるだけでなく、原料管理・仕入先管理・製造管理・包材管理・従業員教育まで含めた、事業者の「管理力」が問われる変更です。経過措置の期間は「猶予」というより、これだけのことを抜けなくやり切るための時間、と捉えておくのがよいと思います。
消費者に伝えたいこと|表示は、誰かの「選ぶ自由」を支えている
最後に、つくる側ではなく、選ぶ側への話を少しだけ。
この記事は、ナッツを悪者にするものではありません。ナッツは、健康志向のおやつとして、低糖質の味方として、たくさんの人の食生活を豊かにしている食品です。
けれど同じ食品が、アレルギーを持つ人にとっては、少量でも避けなければならない食品になることがあります。ある人には健康的なおやつ。ある人には避けたい食品。同じナッツが、人によってまったく違う意味を持つ。だからこそ表示は、ただの文字ではなく、誰かが安心して食品を選ぶための情報になります。
アレルギーのない人にとっても、表示を知っておくことは、周りへの小さな配慮につながります。家族や友人、お店のお客さんに「これ、ナッツ入ってる?」と聞かれて答えられること自体が、やさしさだと思うのです。
現時点の私の立ち位置|「9品目で終わり」とは限らない
ここまで整理して思うのは、アレルゲン表示は更新され続ける制度だ、ということです。7が8になり、8が9になった。木の実類の動きを見るかぎり、これで打ち止めと考えるより、これからも実態に合わせて見直されていくと構えておくほうが現実的です。
だから、つくる側にできるいちばん確かな備えはシンプルです。最新の消費者庁資料を、定期的に確認する習慣を持つこと。そして、表示を「現場の管理の結果」として扱うこと。新しい情報が入れば表示を見直し、状況が変われば管理を一段引き上げる。それだけで、改正のたびに慌てずにすみます。
まとめ
- 特定原材料は義務表示、特定原材料に準ずるものは推奨表示
- 7→8(くるみ・2023年)→9(カシューナッツ・2026年4月)。いまは9品目
- ピスタチオ・マカダミアナッツは準ずるものへ、まつたけは削除。追加も削除もされる
- 準ずるものは法的義務ではないが、実務では29品目での管理が一般的
- 木の実類が注目される背景に、令和6年度調査での増加(くるみは原因食物2位)と、強い交差抗原性
- 表示は、現場の混入対策(衛生管理・HACCP)とセット。あいまいな可能性表示は不可
- 「9品目で終わり」とは限らない。最新の消費者庁資料を確認する習慣を
よくある質問
Q. 特定原材料は、いま何品目ですか?
義務表示の特定原材料は9品目です。2023年にくるみ、2026年4月にカシューナッツが加わりました。推奨表示の特定原材料に準ずるものは20品目で、あわせて29品目です。
Q. くるみとカシューナッツは、いつから義務表示ですか?(経過措置は?)
くるみは2023年3月9日施行で、経過措置は2025年3月31日まで。カシューナッツは2026年4月1日施行で、経過措置は2年間、2028年3月31日までです。
Q. ピスタチオはなぜ経過措置がないのですか?
ピスタチオは義務表示の特定原材料ではなく、推奨表示の「特定原材料に準ずるもの」に追加されたためです。義務化にともなう経過措置という考え方が基本的にないからで、表示しなくてよいという意味ではありません。できるだけ早い反映が望まれます。
Q. 特定原材料に準ずるものは、表示しなくてもよいのですか?
法律上は推奨表示で、義務ではありません。ただし食品安全と情報提供の観点から、実務上はほぼ表示対象として扱われ、29品目で管理する事業者が多くいます。
Q. カシューナッツとピスタチオは、似ているのですか?
はい。両者は同じウルシ科で、強い交差抗原性が知られています。一方にアレルギーがあると、もう一方にも反応しやすい性質があり、ピスタチオがカシューナッツと同時に推奨表示へ加わった理由のひとつになっています。
Q. 表示さえすれば、大丈夫ですか?
表示は、現場のコンタミネーション(意図しない混入)対策とセットです。アレルゲンは食品衛生上の危害要因の一つで、製造ライン・器具・手指を介した混入を、一般衛生管理やHACCPで防ぐことが前提になります。なお「入っているかもしれません」といった可能性表示は認められていません。
Q. これまでの「28品目」とは、何が変わったのですか?
2026年4月の改正前は、義務8品目+推奨20品目=28品目でした。カシューナッツが義務へ移って9品目になり、空いた推奨の枠にピスタチオが入って20品目のまま。結果として、合計が29品目になりました。
Q. アレルゲンの一覧で、ゼラチンだけ最後にあるのはなぜですか?
特定原材料に準ずるものの一覧は、おおむね五十音に近い並びですが、ゼラチンだけは「りんご」の後ろ、末尾に置かれています。その明確な理由は、公的資料で明文化されているわけではないようです。ただ、ゼラチンは牛や豚そのものではなく、それらを原料に作られる加工素材で、ほかの「食品名」とは少し性格が異なります。そう考えると、末尾に置かれていることが理解しやすいかもしれません。
※本記事は2026年6月時点で確認できた消費者庁等の公的情報をもとに、食品の品質管理・一括表示作成に携わる一人の実務者の視点で整理したものです。特定原材料・特定原材料に準ずるものの最新の一覧や経過措置、並び順は改正により変わることがあります。実際の表示の作成・判断にあたっては、消費者庁「食物アレルギー表示に関する情報」や「加工食品の食物アレルギー表示ハンドブック(最新版)」など、最新の一次情報を必ずご確認ください。
参考にした情報
- 消費者庁:食物アレルギー表示に関する情報/加工食品の食物アレルギー表示ハンドブック(最新版)
- 消費者庁:令和6年度 即時型食物アレルギーによる健康被害に関する全国実態調査
- 消費者庁:食品表示基準の一部改正に係る諮問(令和8年)ほか、カシューナッツ・ピスタチオ関連の通知・事務連絡
- 消費者庁:くるみの特定原材料への追加等について(令和5年3月9日)
- 消費者庁:マカダミアナッツの追加・まつたけの削除に関する情報(令和6年3月28日)
リンク集
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